風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の ありをりはべり いまそかり

「摂州合邦辻」



2019年に花巻で撮影が行われ、
2020年1月、なはんプラザCOMZホール満杯のお客様の中、
上映会が開催された短編映画「マルカン大食堂の贈り物」。
この映画の主人公役だった女優内田慈さんが
主役を演じる舞台で岩手に帰ってくるというので、
北上さくらホールへ。
とにかく切れ目がないと感じるほどいろんなドラマで姿を見るが、
主戦場の舞台もこの通り。
すごいなぁ、とても忙しそうだ。

芝居の方は、浄瑠璃を元にした音楽劇。
スーツやワンピース姿で、セリフのほとんどは浄瑠璃調という不思議さ。
でも逆にそれが現代劇とも思えるから不思議だ。
ストーリーは初だけど、能の「弱法師」もともになったとのことで
どこか既視感のある物語だった。
人が持つ様々な形の「情」が絡み合い、心理描写も細かい。
脚本と演出の面白さ。

そして出演の11人の方々にも圧倒された。
自分の配役の出番以外も歌や踊りでほぼ出ずっぱり。
最後のクライマックスシーンではバイオリンやトランペットまで。
舞台美術は小物以外は数本の柱だけなんだけど
それも出演者たちが演技の中で立てたり倒したり、
あるいは組み合わせたりしてそれなりの場面を想像させる。
全員休む暇なしの大熱演だ。

なかでもお目当てだった慈さんの素晴らしさ。
子どもの頃の思い出シーンでのあどけなさから
女の情熱が燃え上がる演技、子を思う母の愛情・・・
振り幅がめちゃくちゃ大きいさすがの演技に泣いた。
改めてすごい女優さんだなぁ。
これからも注目していこうと思う。