かつてあった東西冷戦は
資本主義と共産主義によるイデオロギーの睨み合い。
前者は個人の裁量が大きく、
あえて言えば人間の欲望ベースの経済と言える。
アダムスミスが言うところの
「神の見えざる手」によってコントロールされ、
その方向性は極端に振れないとされていた。
しかしその根本にはキリスト教的倫理のモノサシがあり
欲望まみれにならなかったのではないかと思う。
後者は全国民が同じ暮らし、同じ方向を向くことが前提。
だからこそ個人の自由は制限されるし
欲望は「悪」とされた。
人間には「生存したい」のいう欲望の上に
「より良い暮らしがしたい」という欲望があり、
更に(悲しいことに)「人より上に」という欲望もある。
個人の自由制限への不満とその欲望により
結果として共産主義圏は崩壊した。
(実際にはソビエト連邦と東欧だけだが)
さてそれでは資本主義が勝利したのだろうか。
答は「否」だとワタシは感じている。
その理由は、かつて資本主義経済を支えた
キリスト教的倫理の希薄化だ。
あるいは倫理を伴わない資本主義の蔓延とも言える。
資本主義が生まれた西欧では
そのイデオロギーが定着する前に徹底的に哲学を学んだ。
それに基づいた経済体制だからこそここまで発展した。
が、今の資本主義は経済第一主義となり
言ってみれば「儲かれば何でもあり」「金持ちは勝ち組」。
そして教育的にも、経済的にも、社会保障的にも格差ができ、
それは差別となり、勝ち組に踏み台にされる層が生まれた。
イスラム国問題も、原理主義者によるテロも
すべてそれが根本原因だと思うのだ。
決して宗教間の争いでも、好戦的な悪意の思想でもない。
それに気づかないうちは
金持ちが自分の立場を守ることしか考えていないうちは
今回のフランスのような事件は決して無くならない。
そして日本が抱える様々な問題も同根だと思う。
「上が潤えばシャワーのように下にも金が回る」というのは
一見正論のように見えるが
人間の歴史の中でそんなことは一度も無かった。
どこの国でも貴族やセレブリティは自分のことしか考えてない。
その結果がフランス革命だったり、辛亥革命だったり。
社会保障や社会資本は公共が管理し
その他の部分は民間が自由に経済活動をする
民主社会主義こそ今求められている体制ではないか。
人は誰しも人として生きる権利を持っている。