
先の戦争が終わって75年。
社会構造も、思想も、国家体制も、人も
全て変わったと思っていたけれど
実は戦前と何も変わっちゃいなかったと気づかせてくれる。
「この映画の」官僚たちの世界を見ていて
ふと甘粕正彦を思い出していた。
何が正しくて、何が間違っているのか、
自分は何をなすべきなのか、
そんなことを考えるいとまもなく国家に巻き込まれていく。
そしてそれは個人の責任にすりかえられる。
この映画はフィクションだ。
女性に暴行したとされる首相お気に入りのジャーナリストが
逮捕もされず、不起訴になった事件があったり、
これまた首相のお友達の学校法人に疑惑があったり、
その責任を感じた役人が自ら命を絶ったり、
不正を正そうとした官僚が不自然なスキャンダルで失脚したり
そんな現実と見間違いそうなシチュエーションが
ストーリーのあちこちに盛り込まれていたとしても
あくまでこれは劇映画だ。
そして現実と照らし合わせて考えなければいけないのは
この映画を観たひとりひとりだ。
妙にリアルな映画の中で
もっともリアルに感じたセリフの一言がある。
「この国の民主主義は形だけでいい」
背筋が凍る。